ラ・セゾン・ド・フランセについて

子供の頃ケーキ屋の二階に住んでいた二代目は、いつも甘い香りの中で生活していました。
飲み物は主に牛乳、おやつはシュークリームやプリンでしたが、特別甘いものが好きでケーキに興味があったわけではありませんでした。

中学生の頃、店が忙しい時期に手伝いをすることがあっても、砂糖と小麦粉の区別さえつかない野球少年であり、当時両親はこの子がケーキ屋を継ぐとは全く思っていなかったそうです。

地元の高校、大阪の大学へと進学した後、ホテルニューオータニ大阪のスーシェフパティシエが独立に向けてシェフとして招かれた紅茶専門店「ロンドン ティールーム」にてオープニングスタッフとして修行を開始。

製菓の専門学校へ通っていない二代目は専門用語もわからず基本もゼロからのスタート。

同期から専門学校のテキストを借り、本屋で製菓の本を買いあさり、人の何倍も努力して覚えなければなりませんでした。

修行先は全国的にもトップクラスの繁盛店、茨城県の「コート・ダ・ジュール」。茨城県は岡山県と同じくメロンや白桃などのフルーツが豊富で県民一人当たりのケーキ消費量も高い土地柄です。

当初は東京や他県でも修行を積むつもりでいましたが、茨城での修行が数年経過した頃、先代に大きな病気が見つかりました。二代目は悩んだ末、父と一緒に働ける時間を考えて帰岡を決意しました。